事例-2

平成13年12月

紙器製造を業とする月商500万円の小規模企業が株式譲渡で事業を売却
買い手は、横浜市内に本社をおく、段ボール箱の製造を主力とする大手企業売却希望のA社は、業歴40年、紙器製造を主力とし月商500万円、従業員1名、の小規模企業でしたが財務内容は良好でした。事業も盛業で一部上場企業と直接取引きを行っていました。A社代表取締役の甲氏は34歳で、9年前に創業社長である実父が逝去され事業を引き継ぎました。しかしながら、甲氏は、かねてより、自身‘一生の職業’の夢を他に抱いており、A社をM&Aの形で他社に譲渡し、転進することを決意しました。相談を受けた当金庫「ふれあい相談室」では、横浜市内に事業所を有する同業者をリストアップし甲氏と面談を重ねながら、買収候補企業を絞りこんでいきました。買い手企業を探すのに3カ月かかりましたが、横浜市P区内に本社をおくB社と交渉し、無事にM&Aが成立することがでました。B社は月商1億7000万円の大手企業で、段ボール箱製造を主力とする企業です。紙器製造部門を上場企業との直接取引で強化しようとしていたところに、当金庫から本件の提案を受け、話合いに応じてくれたものです。A社はこの案件で以下のようなメリットを受けることが出来ました。

  1. 小規模企業の株式は一般的には値がつきませんが、A社の株式は値がつき大株主であった甲氏は所有株式を金銭に替えることができました。
  2. A社の従業員1名は以前より経営基盤の強固な企業に勤務することができ、実質的な 待遇も改善することができました。

B社は、極めて難しいといわれる一部上場企業との直接取引を可能にすることができ、双方にとってメリットのあるM&Aとなることができました。この案件を振りかえってみますと、大手企業の独占的な経営戦略と思われたM&AがA社のような小規模企業でも可能であることを示しています。このM&Aの手法は、売り手企業では後継者対策に応用が出来る経営戦略であり、極めて有効な手段といえます。こうしたM&Aの手法に興味のある企業はぜひ当金庫「ふれあい相談室」までご一報ください。