事例-28

平成26年12月

 共通の取引先丙社からの紹介を契機に、譲渡希望先甲社(業種:インテリア企画、年商1億円)および買収希望先乙社との間で、甲社株式を乙社に譲渡する際の「条件交渉、契約書作成」等をふれあい相談室にて支援しました。

 甲社は社員数名ながらも、実質無借金の堅実な企業です。甲社A社長が80才を迎えた際に、A社長が後継者と考えていた社員の退職を受けて、甲社の事業承継への対応が必要となり方々に打診したところ、甲社の取引先である丙社から乙社を紹介されました。甲社A社長との提携に前向きであった乙社B社長は譲渡・譲受に関する意思確認をしたものの、契約条件および締結に向けた段取りについて、相対で直接交渉することに不安を感じたA社長は、ふれあい相談室に成約までの支援を希望しました。
 当相談室が契約に向けた意向を両社長へ伺ったところ、双方の「企業提携のイメージ」や「希望条件」に少なからず食い違いがあることがわかりました。当相談室では、双方の相違点を明確にしつつ、M&Aにおける一般的な考え方や、メリット・リスク等を説明し、双方の合意を得ながら成約までのお手伝いを続け、無事に株式譲渡契約日を迎えました。

 M&Aは“当事者間の合意”があれば成立するため、相対で話を進める例も多いのは事実です。しかし、不慣れな社長同士が十分な協議・意思疎通をせずに契約を進めてしまうことで、最終段階での決裂や、契約後に相違点が明確になり信頼関係を損なう等の残念な事象も散見されます。たとえ知り合いとの提携であっても、少しでも不安がある場合は、M&Aに精通している専門家へご相談することをお奨めします。