事例-8

平成17年8月

 甲社は構築物等の検査を行う特殊なサービス業を展開する優良企業で、後継者不在の為に株式譲渡の形態で、他府県に本店を置く同業者丙に事業譲渡しました。
 甲社の代表取締役である乙氏は従業員の雇用を第一に考えていましたが、丙社では、甲社のマンパワーや技術、ノウハウの吸収発展と横浜進出の拠点とする意図で、従業員の雇用継続を確約のうえ、M&Aに踏み切りました。 被買収企業である甲社社長乙氏は68歳。構築物等の検査を行う特殊なサービス業を展開し、業歴は30数年。無借金の優良企業であったが、乙氏は後継者不在であったことから自社の将来に不安を持っていた。当金庫に相談があったのは平成16年秋であった。当金庫としては優良企業であるところからM&Aによる事業譲渡をお勧めした。買収候補企業はすぐに見つかったが、乙氏が従業員の将来を強く懸念し交渉は難航し、25回以上におよぶ打ち合わせを経てようやく成約に至った。 M&Aの形態としては100%株式譲渡でおこなわれた。 買収企業丙社は他府県に本店を置く同業者で、事業規模は甲社の10倍以上であり将来的に横浜進出の拠点にするとともに、優れた甲社のマンパワーや技術、ノウハウを吸収発展させる意図でM&Aに踏み切ったものである。 結果として甲社従業員は1人の退職者も出ず、顧客の引継ぎもスムーズにできた。乙氏は創業者利潤を得、丙社は甲社の経営資源を得て短期間のうちに事業規模の拡大充実を図ることができた。